晩秋のアレンジ
紅葉の雰囲気をお部屋に持ってきました
のいばら:赤い実を使用。秋の風情を実で表現するためのいい材料となりました。
ゆきやなぎ:春にはこぼれんばかりの白い花をつけるゆきやなぎですが、秋にはこんなに鮮やかに赤く染まります。季節にそって姿を変える代表格。
糸菊:菊の多彩さを物語る一本。黄色いひとつひとつの花びらが広がるさまは、光がこぼれるお日様のようです。紅葉を照らす雰囲気になりますかな
グリーン菊:海外の改良種で、この菊は『ヨーコ・オノ』と名づけられているとか。菊=東洋の花=有名東洋人女性と言えば…ということらしいです。緑の花はあまりないのですが、さわやかな感じがして効果的です。
白なでしこ:なでしこは一言にいってもかなりバリエーションがあります。今回は白を使用。なでしこはとっても丈夫な花なのでアレンジの使い勝手もいいですね。
リューカデンドロン(実):直接日本の紅葉風景にはありえない取り合わせてすが、それがいい効果になるのがアレンジの自由で楽しいところ。雰囲気作りのいい脇役です。
おはなコラム: 「のいばら」
暑さ寒さに強く、日本や韓国などのいたるところに自生できる植物です。いろいろな棘のある自生する低木を総称するような使い方もされます。まっすぐ自分で立つものと、つる状にほかの植物に絡み付いて育っていくタイプがあるようです。今回使った赤い実は漢方薬としての活用方法もあり、日本や中国では利尿剤、便秘薬などいろいろな症状に使われています。特に中国では実だけでなく花や葉も薬品として使っているようです。
ちょっとピクニックなんかへ出かけたときに注意してみてみると、簡単に見つかるかもしれませんね。そんな花も園芸種として商品となっているのですから、不思議なものです。
外で見る紅葉の景色を切り取って持ち帰るように。自然の雰囲気をイメージしながら、すこしワイルドな感じでもいいかもしれません。
【1】ゆきやなぎを中央後方に立て、全体の高さと形を決める
一番印象的で、枝としてもしっかりしているゆきやなぎを中心に持ってきます。これが全体の高さを決めます。まんなかに一本、その左右に数本入れて大まかな骨組みを作ります。バック処理もかねて、背面も少し入れておいてください。
【2】糸菊でフォーカルポイントの決定
糸菊を中心やや低めに挿して、フォーカルポイントとします。数本あるときはバランスをみて向かい合わせになるような感じで入れてみるのもいいでしょう。最初は小さくてもしっかり花開くと非常にかさが出るので、きちきちに入れないように注意してください。
【3】なでしこ、グリーン菊、のいばらで肉付け
全体を見ながら枝と枝の間を埋めていく。のいばらは少し左右に伸ばすと自然感が高まるように思います。花はあまりはみ出ないように、遊びは実物でやるといいように思うのですが…。
【4】リューカデントロン、ゆきやなぎ(あまり枝)で仕上げ
リューカデンドロンはアクセントに。あまりのゆきやなぎはオアシス近くの肉付けにつかってください。落ち葉散ったような、秋が深まったような雰囲気を演出するために下部を肉厚にするのもいいかも…。