夏の終わりのナチュラルアレンジ
夏休みももうおしまい…
少し早めに秋の気配。
粟:穀物の一つ、鳥の餌…のあわ。穂を生け花に使うのは麦が多いですが、粟が今回登場です。ふわふわっとしてて優しい感じ。でも一本一本は結構堅いんですよね。
カーネーション:今回は朱と黄緑の中間色。非常に微妙な色です。一歩間違うと枯れてひなびた感じになってしまいそうなのですが、今回「夏の終わり」を少し意識したかったので、まぁいいか、と思いました。
くじゃく草:ナチュラル感、というか野原感をだしたくて選びました。一本でもたくさん花が付いていてとってもお値打ち!野原からつんできたような雰囲気がほしかったのですが…。
なでしこ:今回のなでしこは、花びらがとても平たいタイプで珍しく感じました。ちょうちょがひらひらしている感じやね、とはマスターの談。
ワレモコウ:小型タイプ。秋といえばこれでしょう…。飾っている間にほころびてくるような粒がいくつかありました。これって咲いているの?それとも枯れかけているの…???
おはなコラム: 「粟」
学名Setaria italica Beauv。日本には縄文時代から渡来していて、大切な食物として長く育てられてきたものです。大正以降、食用としてはかなり少なくなり、現在では郷土料理用などに特別に栽培される程度。お菓子や飼料のためのものはほとんどが輸入だそうです。
もちろん生け花用としてもそれほどポピュラーなものではありません。
米がいまほど普及していなかったころは、普段はアワなどの雑穀、お祭りの日などだけ白米、という食べわけがあったりしたそうです。アワは昔ながらの各地の風習にも多く影響を残しています。
健康食ブームで麦やアワなどの雑穀系の主食が見直されている今日このごろです。昔の息吹に食べて、飾ってふれてみるのもいいですね。
今月はお稽古お休み月!ということで、近所のお花屋さんで自分でお花選びから始めました。夏が終わり、もうすぐ実りの秋だよ…というムードを頭に置いたんですけども…。
【1】粟とカーネーションで大まかに骨組みを作る
粟は後ろ側にしっかり立てる。房が大きいと余り高くしないほうが安定感があるように思います。カーネーションで中心の位置をきめる。
【2】くじゃく草を小分けに入れる
くじゃく草を小分けにして入れる。枝が細いので先にある程度うめておく。今回の花器は枝を使った味のあるものだったが、普通の陶器の花器の場合はオアシスカバーになるように意識したほうがよいと思う。
【3】なでしこをバランスよく入れる
粟と粟、粟とカーネーションをつなぐようになでしこを入れる。くじゃく草に埋まりきってしまわないように、すこし高く切ってもいいかも。
【4】われもこうでしあげる
今回は方向性をはっきりつけて、固めて入れました。全体に散らしてもいいと思うが、小花が多かったのでメリハリをつける意味でも固めてみたのですが…。