ガラスのうつわでアレンジ
夏本番!
爽やかさを届けるガラスの器でお花も涼やかに…
カサブランカ:ゴージャスの定番、百合の王様カサブランカ。大きくて存在感は抜群です。香りも大変強いので、玄関などにはいいですが、食卓やお見舞いの花にはちょっときつすぎるかも知れません。咲いた時のおしべの花粉は服につくと取れません。花本来の気持ちを考えるとかわいそうですが、咲きかけたときにとってしまったほうがいいかも…。
トルコキキョウ:白を使用。繊細な薄い花びらのわりには、夏でも丈夫な花です。優しい雰囲気たっぷり。
るり玉アザミ:きれいな瑠璃色がいいアクセントです。アザミというだけあって、茎や葉の刺は非常に強いものでした。こういう花は非常に夏の雰囲気をだしますね。
べラドンナ:きれいなブルーはこの花。先ほどのルリ玉アザミと同様、涼やかな雰囲気に協力してくれています。青系の花って、夏や初秋が多いように思うのは、やはりその頃にみんなが青い花を見たくなるのを知っているからでしょうか?
インカーナ:カスミソウのような役割なんですが、薄い紫色。そしてカスミソウより丈夫…というか、ドライフラワー的に使えるので、結構長くおうちに居座ってくれます。
おはなコラム: 「ルリ玉あざみ(あざみ)」
キク科の草花で、野草としても有名です。この種の花は世界的にもかなり広範囲で見られ、日本には70〜80種も生育しています。
厚い葉と刺が大きな特徴です。たいてい小さな花が集まって一つの花を作っています。今回使ったものはそれがかなり球体に近づいたものですね。
昔はこの刺が嫌われてあまり生け花には使われなかったようですが、今は独特の風貌が好まれ、園芸種、アレンジのアクセントなどによく登場するようです。
ちなみに「あざみ」という名前は、10世紀初頭の『新撰(しんせん)字鏡』に阿佐弥(あさみ)と出たのが最古のものだそうです。語源にはいろいろいわれていますが、、葉のギザギザの切れ込み「ギザ」から「ガザ」がおこり、さらに「アサミ」に…とか。沖縄地方で「アザ」とは「刺」を意味することが語源では?とも言われるそうです。どちらにしても、刺抜きにはこの花は語れないようですね。
ガラスを活かして、あまり器を覆ってしまわないように気をつけましょう。今回は二つで1セットの形にしました。
【1】(写真右)カサブランカを中心に、細かいパーツで埋めていく
カサブランカは短めに切って中心前目にいれる。まわりをカサブランカの葉や、インカーナで埋めていく。形を整えてほぼ完成。
【2】(写真左)べラドンナを立て、全体の高さをつかむ
べラドンナを中央後ろ目にまっすぐ立てる。これが最高の高さとなるので、横に置く百合のかさとバランスをとって、適当な位置を決める。
【3】ルリ玉アザミ、トルコキキョウで肉付け
この二つの花を均等につながりを持たせて埋めていく。中央前向きに、一輪目を引くようなトルコキキョウを決めておくことを忘れずに。
【4】インカーナでしあげる
余り埋めすぎないことを年頭に、インカーナをあしらう。最後にアイビーなど蔦系の花材があれば、二つの花器をつなぐように渡すと、全体としての一体感が生まれる。