個性的な器でのアレンジメント
「いすでくつろぐ、白いドレスの女性」
今回はこんなイメージで。
デンファレ:今回の主役。色もいろいろありますが、白を使ってみました。蘭の中では価格も抑え目で、ポピュラーな花。夏場でも良く持つし、ゴージャス感もほどほどにあります。
ミニバラ:よく登場するミニバラですが、今回はピンク。やや大きめです。かわいらしさと豪華さを兼ね備えた、使える一本!
ヒペリカム:赤い実が印象的。お花屋さんでも良く見かけますが、なぜか造花になってるのを良く見るのです。実モノはアレンジに変化をもたらせてくれるので、使い勝手がいいですね。
グリーンネックレス:先生宅で育っていたのを、小分けしていただきました。アレンジの後方でいすに絡まっている、房のような植物。丸く連なっているのはサボテンのように肉厚な葉(?)。割ってみるとアロエのように、水分をいっぱい含んでゼリー状になっていました。小さな花も咲きます。名は体をあらわす…なるほど、『グリーンネックレス』!
おはな
コラム
: 「ヒペリカム」
ヒペリカムはオトギリソウ科の植物の総称で使われています。オランダ、イタリア、ニュージーランド、イスラエル、ケニア、南アフリカ、ジンバブエ等で栽培され、近年入荷が増えています。
ヨーロッパでは中世から最近まで聖ヨハネの祝日に薬草を集める風習がありました。特に6月24日の聖ヨハネの祝日は夏至のころで、太陽がもっとも強い時期であり、オトギリソウが黄色の花をつけるころでもあったので、この日の前夜に集めたものがとくに中夏節の薬草として効力が強いとされ、病気をもたらす悪魔を追い払う草としていたそうです。
和名のオトギリソウ(弟切草)については、寺島良安の『和漢三才図会』(1713)の中に、こんなお話があります。
〜花山天皇(在位984〜986)の御代に、鷹使いの名匠晴頼が鷹の傷を治すための薬草を秘密にしていたところ、それを弟が漏らしたために切り捨てたことから名づけられた。〜
この他の書物のにも薬草としての記載が多く、日本でも薬として位置付けられていたようです。
今回は花器が非常に個性的。どんなイメージで作るのかをしっかり考えると、スムーズにいけられるようです。
今日は「いすでくつろぐ、白いドレスの女性」ってなかんじ。
【1】ヒペリカム、ミニバラでオアシスをカバーする
「いすに載せたクッションの模様を描くように」と先生の説明がありました。ヒペリカムは小分けにして、またミニバラも短めに切って、オアシスをまんべんなく埋めていきます。あまりぎちぎちに埋めたり、実や花ばかりで埋めると、「派手すぎるクッション」になり、バランスが悪くなるので、葉もしっかり使いましょう。
【2】デンファレをさす
いよいよ「主役」に座ってもらいます。ここはイメージが大切。デンファレは茎の割に花が重いので、しなります。この「しなり」を上手く利用して、下にたらーんと下げてみても良し。私はあまり下がらないように、まっすぐ座らせるイメージでいけてみました。
難しいですが、デンファレで一筋の流れを作れれば大成功です!
【3】グリーンネックレスを飾る
アレンジ自体を置く位置などもかんがえて、グリーンネックレスを飾ってみましょう。よほどでないかぎりオアシスに挿す事は難しいと思いますので、絡ませる場所があれば、絡ませたり、つたわせたりするのがいいのではないでしょうか。
「お花たち」のコーナーで紹介した通り、非常に水分を含んだ植物なので、水に直接ささなくてもある程度は持つと思われます。霧吹きしてやるのを忘れないように。